『百寿』を公開しました
2017年に発表された厚労省の調査によると、日本で100歳以上の方は6万7千人いるそうです。
今後も増加が続き、100歳になることが当たり前になる時代が来るとも言われています。
今回制作した『百寿』では市川カツさんの絵とコラボレーションさせていただきました。
カツさんは104歳で亡くなるまで絵を描かれていたそうです。
残念ながらカツさんとは直接話すことはできませんでしたが、カツさんのご家族から話を聞かせていただいて、僕は「亡くなるときに何かをやり続けているだろうか」と思いました。
たとえ趣味だったとしても、それをし続けるにはエネルギーが必要です。
『ただ好きだった』
それだけかもしれませんが、なぜ好きなんだろう?
絵を描き始めたきっかけは何だろう?と僕は興味を持ちました。
100歳になって絵を描いていらっしゃる方はたくさんいると思います。
でも描き続ける原動力は人それぞれだと思うのです。
僕はその原動力が何だったか、カツさんと話してみたかったなぁと思います。
カツさんの旦那様が絵を描かれていた、というところにヒントがありそうですが、
今となってはもうわかりません。
人が何か行動を起こす時、
必ずそこには意味があると思います。
単純な動機かもしれませんが、
丁寧に辿っていくと、案外素敵なエピソードがあったりするのです。
カツさんの絵で、真鶴の庭の夏みかん(98歳)と松本農園の黄金桃(99歳)は、
特に僕が好きな絵です。色合いのバランスが絶妙!
本当に素敵な絵です。
ところでみなさんも今何かされていることがひとつやふたつあると思います。
それを始めたきっかけは何だったか、
やり続けられるモチベーションは何か。
そんなことを話し合える機会があると楽しいだろうなと、
僕は思います。
人が懸命に何かする姿、
生き抜こうとする姿は尊いもの。
そんなことを感じさせていただいた出会いに感謝です。
<コメント>
母カツさんの絵が「まさきもち」に採りあげられ驚きながら喜んでいます。実は、絵は夫の一男さん(私の父)の趣味で、カツさんの絵は夫婦のお付き合い程のものでした。そして、カツさんは何よりも歌が好きだったのです。元気な頃は、賛美歌、唱歌、童謡から美空ひばりまで、たいていの歌は気持ち良さそうにイイ声で歌っていました。たまに一緒に歌うと、自分はアルトにまわってハモったりするのでした。
百歳前後からはどうしてか「箱根の山は天下の嶮、函谷関もものならず、、、」ばかり歌うようになりました。百四歳で旅立ち、もう6光年も先へ行ってしまったので、JAXAに頼んで「カツさ~ん、カツさ~ん、まさきもちが素敵な『百寿』作ってくれたよ~」とメッセージを打ち上げてもらいます。届いたら喜んで自分でも歌うと思います。 ありがとうございました。(あきオレオーレ83さん)