【美術2のAndy画伯の絵54】父さんはアヒルの足になるよ
まだ子どもを持つ前、
肩車をしている親子を見ると、
子供が楽しそうにしていて、
幸せそうだなと思ったものです。
花火大会や何かのイベントで人が多く集まる場所では、
子どもにとって肩車は視界がスパーッと開ける特等席。
その親子の後ろにいる人は、
まぁ子供が喜んでいるならいいでしょうと穏やかな人もいれば、
眉間にしわを寄せてわざとゴホンゴホンと咳をする人もいるでしょうが。
そして僕も親になりましたから、
肩車をやってみるわけです。
それはもう楽しいもんです。
子供の顔は鏡を見ない限り直接見ることはできませんが、
楽しんでいる様子が、僕の首を挟んでいる
息子さんの股間あたりから伝わってきます。
ジンジンと。
この絵にある生後5ヶ月くらいの頃は、
楽しそうというより驚いているようにも感じました。
地面に近い視野からはるか高い視野になるのですからそれも当然でしょう。
肩車をした時に、僕の頭を触る手の動きがなんともソフトなのです。
フワフワと。
それから時は流れ、今は1歳を過ぎ、
髪の毛を鷲掴みにしたり頭を叩いたりするようになりました。
グイグイグイ、バンバンバンと。
そして体重も重くなり、
1歳でこれなんだから、
この先3歳・5歳・7歳になったら僕の首は持つのか?
という疑惑が湧いています。
いつかの僕が見ていた親子の肩車は、
お父さんの首力があってこそなんだなぁと実感しています。
アヒルが優雅に泳ぐには、水面下でバタバタしている足があるように。
お父さんは顔は笑っていても、首筋や背筋・腹筋に神経を研ぎ澄ませているのです。
父親ってすごい・・・
健気…
愛すべき存在…
(誰か褒めておくれ!)
体を鍛えているマッスル父さんならまだしも、
運動も何もしていない僕のようなお父さんは、
きっと不安を抱えていることでしょう。
首にビクビク、びくにクビクビと。
そのうち息子さんも色々な技を覚えるでしょうから、
スリーパーホールドをかけられれば、
肩車オチすることだってあるかもしれない…。
肩車にビクビクと、車肩にクビクビと。
そう考えると、
きっと先輩お父さんのなかには、
肩車で首をいわしてしまった方もいるに違いありません。
そんなお父さんから注意事項を聞いてみたいものです。
(ロボットボイスで)「あのときはー調子に乗っちゃってぇ〜」
何歳くらいまで肩車をするのでしょうね。
精一杯アヒルの足となって、君を楽しませるつもりですぞ、
お父さんは。
ただ、今、息子さんにお願いしたいのは、
エビのように反り返るのだけは、
できればやめていただけると嬉しいのですが。。。