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キリンのソフィより君へ


君のお家に来て、

もう8ヶ月。

つかまり立ちをする君を誇らしく思うよ。

少しは君の役に立てたかな。

最近じゃ色あせて、

自慢の模様が消えかかってる。

君のよだれをあびまくった成果だ、

と思うことにしてる。

白いキリンなんてレアだぜ、

って思うことにしてる。

君がパクッと食らいつく部分はだいたい決まってるね。

口と右前足と左後ろ足。

あ、たまに耳もかじられるな。

生傷は絶えないけど、

傷跡が勲章だ、

って思うことにしてる。

だって8ヶ月で君の歯が7本も生えたんだから。

足を掴んでブンブン振り回すようになったね。

テーブルに顔面をガンガンぶつけたり、

放り投げられて床から天井を仰ぎ見ることもある。

君がハイローチェアから「あれどこいった?」と、

探している姿を見ると、

「おいおい、投げたのは君だぜ・・・」

「部屋の明かりが、やけに、まぶしいなぁ・・・」

「もっと、やさしく、お願いしたいなぁ・・・」

なんて思ったりすることもある。

いや、でもそれが仕事ってもんだろう、

って言い聞かせることにしてる。

君は知らないだろうけど、

1961年に生まれたから今、56歳なんだ。

想像できるかい?

君の56倍以上生きてるんだぜ。

結構、老体に鞭打って頑張ってるんだぜ。

まぁ8ヶ月の君に言ってもわからないだろうけどさ、

君も56歳になればわかるよ。

おもちゃが増えていくと、

君と遊ぶ時間も減っていくね。

寂しい気もするけどさ、

君と遊んでいなくてもおもちゃ箱の中から見守ってるんだ。

そりゃ嬉しいさ、

君が大きくなっていく姿をこんなに間近に見られるなんて。

いつかお別れする日が来る、

その日まで一緒にいようね。


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