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スタイという名のすべり台


それはピカピカに磨かれたすべり台のよう

子どもたちはただスルンという重量を楽しんでいる

同じくヨダレにとっても気持ちがいいに違いない

途中で止まることなく床に着地するのは

もしスタイにオムツのような吸収力があったら

ヨダレはすべり降りることができない

そう親としてはその吸収力がほしいのだ

しかしスルンと水と油のような摩擦で

床に着地するヨダレがどうにも美しく見えてしまうときがある

とろみを帯びてスワイプされるヨダレを口の中に入れてみたいときがある

ぷるんとしたフォルムを

できれば着地する前に掬ってみたいのだが

あのとろみの前に僕は無防備になる

見届けることに幸せを感じてしまう

すべり台はすべるから価値があって

すべらないすべりにくいものには価値が失われる

スタイという名のすべり台

行け

発射せよ

掃除は僕がしますから


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